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ヘラジカの角(つの)

ヘラジカの角(つの)について

ヘラジカ、またの名を大鹿(オオジカ)というこの生き物は、 体長240-310cm、肩高140-230cm、体重200-825kgと、シカ科の最大種であり、 北方に生息する偶蹄類でも最大級の動物です。 雄の成獣は箆のように平たい角を持つことが和名の由来です。 角は大きく、最大で200cmを上回ることもあります。 英語圏では、ユーラシア大陸のヘラジカをエルク(elk)、 北アメリカのヘラジカをムース(moose)と呼びます。

ムース(moose)、ヘラジカ

「恒温動物においては、同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく、近縁な種間では大型の種ほど寒冷な地域に生息する」という ベルクマンの法則どおり、ヘラジカは最北端に生息するシカ科の最大種となっています。 なお、ベルクマンの法則は、「温暖な地域では体温を維持するためには放熱を十分に行う必要があるから体重当たりの体表面積は大きくなければならず、小型であるほうがよい。逆に寒冷な地域では放熱は簡単であり、むしろ体温を維持するためにはそれを抑える必要があり、そのためには大型であることが有利となる。」 という理論に基づいています。 ヘラジカは非常に大きいこともあり、鹿の可憐な雰囲気とは違ってまさに森の王者と呼ぶに相応しい貫録があります。

ムース(moose)、ヘラジカ

そして、ヘラジカの角についてですが、日本の鹿同様、 皮膚の構造が変化して毎年生え代わるタイプで、主な成分はケラチンです。 一方で骨や牙には主なタンパク質成分としてコラーゲンが多く含まれ、ケラチンを多く含む鹿の角とは異なります。

日本の鹿とヘラジカの角の比較ですが、サイズが大きく異なることもあり主観的ではありますが、 日本の鹿の方が内部構造が密のような気がします。 ただ、私の保有するヘラジカ(もしくはトナカイ)の角が、古いせいかもしれません。 鹿類の角は、毎年自然に生え変わることから、当然のことながら抜けた角は森に放置されることになりますが、 放置された角は予想以上のスピードで劣化します。 抜け落ちたばかりの角は重厚で非常に硬質ですが、森に住むバクテリアや細菌による分解作用によりあっという間に角はすかすかに軽くなり、 自然に森に帰ります。 また、食べ物による差も当然のことながらあるはずで、均一の条件でない以上、正確な比較結果を出すのは難しい課題となりそうです。

なお、ヘラジカのこの独特な角の形状についてですが、遠くの音を広く集め聞き取ることで、 先んじて行動を行えるようにするためといわれており、 いわばパラボラアンテナ的な効果が期待できるとされています。

日本鹿とヘラジカの角

写真は角の一部。左が日本鹿の角、右がヘラジカの角

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